口腔機能検査

口腔機能検査とは?

口腔機能検査は、お口の運動状態を総合的に把握するための検査です。
この検査には、口腔内の清潔さ、唾液の状態、咬合力、発語機能、さらに咀嚼や嚥下機能の評価など、様々な側面が含まれます。
具体的には、口腔衛生状態の視診、口腔水分計による口腔乾燥の評価、感圧フィルムによる咬合力の測定、自動計測機による舌口唇運動の検査、舌圧測定器による舌圧の評価、グルコセンサーによる咀嚼能力の検査、そしてEAT-10自記式質問紙による嚥下能力の評価が行われます。
これらの検査を通じて、口腔の健康状態を詳細に評価し、必要に応じたトレーニングの提案が可能となります。
クローバーデンタルでは、皆様の口腔健康を維持し、より良い生活の質をサポートするために、これらの検査を実施しています。

  • 口腔機能発達不全症
  • 口腔機能低下症

口腔機能発達不全症

口腔機能発達不全症とは?

口腔機能発達不全症とは、2018年に保険適用になった新しい歯科の病名で、18歳未満の子どもで、生まれつきの障害がないにも関わらず、食べる、話すなどのお口の機能が十分に発達していない状態を言います。
最近の調査では、10代の半分近くが口腔機能発達不全症の疑いのある症状を経験しているという結果が出ています。
その背景に、軟らかくてあまり噛まなくても飲み込める食べ物が好まれ、噛む力が発達しないということも言われていますが、本当にそうでしょうか?

お子さんの食事で、こんなことありますか?

偏食する食べるのに時間がかかるむら食い遊び食いよく噛まない少食ちらかし食い口から出す食べすぎる食事を嫌がる

お子さんの食事・親の事情で、こんなことありますか?

子どもが食べやすい食事の作り方がわからない忙しくて手をかけてあげられない
食事をゆっくり食べさせる時間が無い家族がそろって食事をする機会が少ない
家族が協力してくれない

上記のような症状は、実はお口を上手に使えていないことが原因となる可能性があります。
また、小さなお子さんの治療時に歯科医師が気付く点が多々あります。
歯並びの悪いお子さんが増えてきてるのです。
お口を使って人間は食事をすることは、当たり前のことではありますが、その当たり前のことは勝手に身に付くと考えている方はいらっしゃいませんか?
多くの方々がそうお考えかと思いますが、実はこの当たり前は、当たり前でないのです。
お口の使い方は、乳児期の哺乳やその後の離乳食の時期、それから普通の食事へと段階を経て徐々に身に付くものと考えられています。
残念ながらその時期その時期の食事の取り方によっては本来獲得すべき上手なお口の使い方が身につかないまま成長してしまうこともあり得るのです。
そういった上手にお口が使えない症状を口腔機能発達不全症と称し、2018年度より新たな病気の一つとして認知され始めました。

小児口腔機能不全症の治療には保険が適用されます

近年、小児口腔機能不全症の小児が増加傾向にあり、2018年から小児口腔機能不全症の治療には保険が適用されるようになりました。
咀嚼、嚥下機能(噛む、飲み込む)もしくは構音機能が十分に発達していない、または正常に獲得できていない15歳未満の小児に対しては保険の範囲内で治療が行えます。
※検査項目があり、決められた数以上該当する必要があります。
治療内容としては、口呼吸、滑舌、咀嚼嚥下の仕方などに改善が必要なお子様には、簡単なお口の体操をしたり、口輪筋(口の周りの筋肉)を鍛えるトレーニングを行います。
治療に痛みなどはありませんので、小さなお子様でも取り組みやすいです。
口腔機能のトレーニングは矯正治療ではありませんので、歯並びをきれいにすることはできませんが、お子様が小さな内から気をつけておくことで、歯並びが悪くなる原因となる、舌や唇の癖の改善にもつながります。

口腔機能発達不全症の悪影響

口腔機能発達不全症に気が付かずに放置してしまい、何らかの行動を起こさなかった場合に、下記の様な悪影響が長期に渡り生じてくる恐れがあるといわれております。
しかも残念なことに、ひとたびそのような状況のまま成長をしてしまうと改善は思うように行きませんし、根本的な問題は残ってますので成長後(おおむね15歳以降)にいくら矯正をして歯並びを改善させたとしても後戻りと言って元に戻ってしまうことまで生じてしまうのです。

歯並びが悪くなる

顎が十分に発達しないことで歯並びが悪くなってしまいます。
我々の顎は、お口周辺の筋肉の絶妙なるバランスや噛むことを繰り返すことで加わる適正な力によって上手く成長するものです。
口腔機能発達不全症の場合には、顎の適正なる成長を促さない恐れがあり顎が小さいままとなりますので、結果的に歯並びが悪くなるといわれます。

本来の鼻呼吸が思うようにできない

顎の成長不足により本来の空気の通り道である鼻腔や気道が狭くなり呼吸がし辛くなってしまいます。
上顎への適切なる刺激不足により、空気の通り道である鼻腔や気道が狭くなり、本来の鼻呼吸がしにくくなり口呼吸に頼るようになります。

姿勢が悪くなってしまう

鼻腔・気道が狭くなると、どうしてもそれを補うために頭を前に出した猫背の姿勢をとり口呼吸をするようになってしまいます。

顔が長く見えるようになる

顎の成長不足で鼻下部が発達せず、顔が上下に長くなるといわれています。
顎の骨部分は鼻から下の顔面のほぼ半分を占めます。顎が成長不足に陥ると顔の適度なる膨らみが獲得できず、逆に上下に長くなります。

検査方法

1.問診(生活習慣の確認)

1.問診(生活習慣の確認)

◆食事の様子(よく噛んでいるか、飲み込みはスムーズか)
◆発音の問題(発音しにくい音があるか)
◆口呼吸の有無(口が常に開いていないか)
◆指しゃぶりや舌の癖(舌を突き出すクセがあるか)

2.視診(口の中や顔の状態をチェック)

2.視診(口の中や顔の状態をチェック)

◆歯並びや噛み合わせの状態
◆舌の位置や動き(舌が正しく動かせているか)
◆唇や頬の筋肉の発達具合

3.口腔機能の評価(具体的な検査)

3.口腔機能の評価(具体的な検査)

◆咀嚼(そしゃく)機能検査:ガムやせんべいを噛んで、噛む力や効率を評価
◆嚥下(えんげ)機能検査:飲み込む動作のチェック
◆発音テスト:正しい発音ができているか評価
◆口唇閉鎖力測定:口を閉じる力を測る(口が開いたままの習慣がないか確認)

歯科での診察
食べるときのくちびる・ほお・あご・舌の動きを観察します

口腔機能
・一口量(多い・適量・少ない)
・食事のペース(速すぎる・適度・遅すぎる)
・くちびるの閉鎖機能(閉じられる・閉じられない)
・舌の位置(口腔内・口腔外)
・舌の運動機能(前後・上下・左右に動かす)
・あごの運動(ほとんど動かない・左右対称・左右非対称)
・一口量(多い・適量・少ない)
・食事のペース(速すぎる・適度・遅すぎる)
・くちびるの閉鎖機能(閉じられる・閉じられない)
・舌の位置(口腔内・口腔外)
・舌の運動機能(前後・上下・左右に動かす)
・あごの運動(ほとんど動かない・左右対称・左右非対称)

手と口の協調関係
・食べるときの肘の位置(肩より後方・肩と同位置・肩より前方)
・食べ物が口に入るときの位置(口の両脇・両脇と正面の間・ほぼ正面)
・食べるときのくちびるの使用(使用する・使用しない)

声を出そうとして音をつくる過程(構音)を観察します

構音障害の有無
・構音時の置換、省略、ゆがみの有無
・構音障害の種類(歯間化構音、側音化構音、口蓋化構音、鼻咽腔構音)
・器質性構音障害(口蓋裂などの構音器官の形態や機能の異常、歯列・咬合の異常、舌小帯の異常などに起因)
・運動性構音障害(発声発語運動を担う神経・筋の異常に起因)
・聴覚性構音障害(聴覚器官の異常によって起こる二次的構音障害)
・機能性構音障害(器質的に明らかな問題がないにも関わらず構音に誤りを生じる構音障害)

歯科での検査
舌圧測定法

・舌圧の測定は、測定器の受圧部(舌圧プローブ)を口蓋部にあてがい、くちびるを閉じ、舌で受圧部を口蓋部に向けて思い切り押しつぶしたときの最大舌圧を測定します。
・舌圧は、噛みつぶしたり飲み込んだりするときに食べ物を口の中でかたまりにし、咽頭に送り込むのに強く関係しています。舌圧検査は、口腔機能を定量的に検査する方法のひとつで、保険適用されています。

口唇閉鎖力測定法

・口唇閉鎖力は専用の医療機器によって計測します。
・口唇と舌の機能は関係していて、口唇閉鎖力の低下は鼻呼吸を口呼吸に移行させて口呼吸症候群を招き、正常な口腔やあご顔面の形態や機能の成長、発育を妨げます。その影響は全身に及ぶと考えられます。

予防方法
歯並びや噛み合わせをチェックする(定期検診)

口腔機能発達不全症の早期発見・予防には、歯科医院での定期検診が重要となってきます。
特にお子さまの場合は、成長に合わせて適切な指導や治療が行われるためです。
歯並びや噛み合わせ、口周りの筋肉の状態を定期的にチェックすることにより、問題が見つかった際に早期に対応することができます。

正しい姿勢を意識する

姿勢が悪いと食事や会話の際、舌や顎の位置がずれて咀嚼や発音に悪影響を与えることがあります。
また、口周りの筋肉が正しく使われなくなるためうまく発達しない原因となり、特に前かがみの姿勢や猫背は口呼吸を助長し、口腔機能の低下を招く可能性が高いといわれています。
正しい姿勢とは、背筋をまっすぐに伸ばし、頭は前に突き出ないように注意して、顎を引いて耳が肩の上にくるように意識しましょう。

口呼吸ではなく鼻呼吸を意識する

お口ポカンになっていませんか?
鼻呼吸を習慣化するためには、舌を正しい位置へ置くことが大切です。
舌の正しい位置は上顎に軽く触れている状態で、この位置に舌を置いていれば口が自然に閉じるため鼻呼吸が促進されます。

バランスの良い食事

口腔機能の健全な発達には、栄養バランスの取れた食事が不可欠です。
特に成長期のお子さまは、カルシウムやビタミンD、タンパク質を十分に摂取しましょう。
これらの栄養素は骨や歯の発育に必要で、不足すると発達不全のリスクが高まります。
また、咀嚼を促すために食物繊維を含む野菜や果物、適度な硬さがある食べ物も積極的に取り入れましょう。

口腔機能低下症

口腔機能低下症とは?

口腔機能低下症とは、加齢・疾患・生活習慣などにより口腔の機能が複合的に低下した状態で、2018年に歯科保険病名として正式に収載された疾患です。
単なる「老化」ではなく、適切な介入で改善が可能な医療対象として位置づけられています。
「オーラルフレイル」は、口腔機能の健常な状態(健口)と「口腔機能低下症」の間にある概念です。
オーラルフレイルは「歯の喪失や食べること・話すことに代表されるさまざまな機能の軽微な衰えが重複し、口の機能低下の危険性が増加しているが、改善も可能な状態」と定義されています。

オーラルフレイルとは?

かつて、口腔機能は「健常か、障害か」という二極化した捉え方しかなく、食事時のむせや滑舌の悪さが目立ってきたとしても「老化のせいだから…」と諦められがちでした。2010年代になると、数千人単位の大規模コホート調査を通じ、口の衰えには適切な対応をとることで元の健全な状態に戻せる段階があると明らかになりました。
このような経緯を受け、新たに生まれた概念が「口腔機能低下症(オーラルフレイル)」です。
それは「加齢や全身の疾患によって、口腔の機能が複合的に低下している病態」と定義される、いわば健常と障害の中間的な位置づけです。

なぜ口腔機能は低下するのか

口腔機能低下症が注目される理由は、単に「口腔の問題」にとどまらず、全身の健康に大きく影響するからです。
口腔機能の低下は、加齢だけが原因ではありません。歯の喪失、義歯の不適合、唾液分泌の減少、筋力の低下、服薬の影響、栄養不足、社会的孤立など、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こります。
たとえば、栄養摂取量が低下し全身の筋力が低下する中で口腔の筋力も低下する。
つまり、口腔機能の低下は「ある日突然」起こるのではなく、日常生活の中で少しずつ進行していきます。

口腔機能低下症の主な症状
1.噛む力の低下

噛むときに力が入らず、食べ物をしっかりと噛むことが難しい状態です。食べ物をうまく咀嚼することができず、まる飲みするこで消化にも影響を及ぼす場合があります。

2.唾液が減る

唾液は口の中の潤いを保ち、食事の嚥下をスムーズにする役割を果たしています。口腔機能低下症では、唾液の分泌が減少し、口の中が乾燥してしまうことがあります。

3.言葉の発音が難しい

口腔の筋力や舌の運動能力が低下することで、言葉をはっきりと発音することが難しくなります。

4.嚥下機能低下

食べ物や唾液の嚥下が難しくなる状態です。食べにくい状態をそのまま放置すると栄養失調状態となり、さらなる筋力低下を招きます。

口腔機能低下症が進行すると

口腔機能低下症が進行すると、噛む力が低下し、食べ物を十分に咀嚼することが難しくなります。
噛み応えのある食品が食べられなくなり、肉などのタンパク質を摂取しづらくなることによって筋力が低下し体力も衰えていきます。
また、舌と口腔の筋肉のコントロールがうまくいかなくなり、言葉の発音が困難になることもあり、会話やコミュニケーションに支障が生じる可能性があります。
嚥下についても飲み込む動作や嚥下が困難になり、食べ物や唾液が喉に詰まる感覚を引き起こし誤嚥性肺炎を生じる事があります。

オーラルフレイルの簡易チェック

2つ以上該当した場合、早めの精密検査をお勧めします。

口腔機能低下症の検査は何をするのか?

口腔機能低下を7つの項目で検査し、3つ以上が基準値を下回ると「口腔機能低下症」と診断されます。検査時間は約30分程度で、健康保険が適用されます。

1.口腔内の清潔度

舌苔の付着度を見ます。

2.ドライマウス

唾液の量を測定し、口腔内の水分量を測定します。

3.咬合力

残っている歯の数を数えて、噛む力を測定します。

4.舌口唇の運動機能

「パ」「タ」「カ」の発音で舌と唇の運動機能を測定します。

5.舌圧

舌圧計を用いて舌の力を測定します。

6.咀嚼機能

グミゼリーを噛んだ後、溶解ブドウ糖値を測定し、咀嚼能力を測定します。

7.嚥下機能

問診票に記入していただき、嚥下機能をチェックします。

60代では約6割、70歳を超えると8割以上の方が口腔機能低下症に当てはまるというデータがあります。
これらを放置しておくと、将来的に要介護状態となるリスクが2.4倍、死亡リスクが2.1倍になることもわかっています。
個人の状態に合わせたお口まわりの筋力アップトレーニングを毎日行うことで、失われつつある口腔の機能を回復させることが可能です。
当院は検査機器を取り揃えていますので、一度オーラルフレイルの検査を受けてみませんか?

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