診療科目
定期検診
歯が抜ける原因は老化ではありません。
ムシ歯と歯周病がその大部分を占めており、とくに歯周病は最大の原因となっています。
歯周病は痛みなどの自覚症状がないまま静かに進行していきます。そのため、知らず知らずのうちに歯を支える骨が溶かされ、気づいた時には手遅れになってしまうケースも多いのです。そして、一度治療をして治った後も、手入れが行き届いていない所から再発しやすいのが特徴です。
国民皆歯科健診とは?
国民皆歯科健診とは、日本全国民に対して毎年の歯科健診を義務付けるというものです。導入の検討に向け、2022年4月に「国民皆歯科健診実現プロジェクトチーム」が発足しました。
しかし、なぜこのような議論が起こったのでしょうか。
「国民皆歯科健診」議論の背景
まず、国民皆歯科健診が提唱された2つの背景について説明します。
歯科の受診率が低い
現在日本では、1歳半と3歳で歯科検診があるほか、小学校〜高校までは毎年学校で歯科検診が行われています。しかし、大人になると自分で検診を受けに行かなければならなくなるため、受診率が下がり、痛みなどの症状が出なければ歯科医院での受診をしないという人が多い傾向にあります。
知らず知らず歯周病にかかっている人が多い
歯科の受診率が低い一方で、歯周病患者は、自覚していない人も含めるとなんと400万人前後もいるといわれています。歯周病は重症化するまで症状が現れにくいことが多く、「沈黙の病」とも呼ばれるため、気づかないうちに進行している場合があります。
歯周病という病気の怖さについては、後ほど詳しく解説いたします。
定期健康診断に取り入れる案が出ている
多くの自治体では、40歳から10年ごとに「歯周病検診」を行っていますが、受診率は1割未満ともいわれており芳しくありません。
そのため、会社などで定期的に行われる健康診断に歯の検診を組み込むことにより、国民皆歯科健診として受診を促進させようという意見が出ています。
歯科疾患の早期発見により医療費削減へ
歯周病に限らず、歯科疾患は進行して重症化すると治療する内容が増え、それに伴って医療費の負担も大きくなります。
国民皆歯科健診を通して早期に疾患を発見できれば、重症化予防・早期治療により医療費負担を減らすことも可能です。進行してから治療に行くより、通院回数も抑えられるでしょう。
国民皆歯科健診導入前にも、定期歯科検診を!
大人になってから歯科検診を受けていないという方にとって、国民皆歯科健診の導入はご自身の健康を考える良いきっかけとなるのではないでしょうか。先に述べた、歯周病にまつわる様々なリスクを予防するという点以外にも、歯自体を守るために定期的な検診は欠かせません。
80歳の人のうち、定期検診を受けている人では残存歯の平均が26本、受けていない人では0~5本程度というデータがあります。歯科定期検診と適切な治療を受けることによって、将来的に自分の歯を多く残すことができるということがわかります。
自分自身の歯を残すことは、食べる楽しみ以外にも、噛むことによる健康増進にもつながります。人生100年時代と言われる現代日本に生きる私たちにとって、歯を守ることは健康寿命を伸ばすための急務とも言えるかもしれません。
政府による国民皆歯科健診の導入は令和7年を目安に検討中とされていますが、本格的な制度の開始を待たずに、ぜひご自身のタイミングで歯科検診の受診をスタートすることを検討してみてはいかがでしょうか?
再びムシ歯にならないために「定期検診」をおすすめします。
あるデータによると……80歳の時に残っている歯の数は、日本では平均10本。それに比べて、ムシ歯予防の国のスウェーデンでは25本。なぜこれほど違いがあるのでしょうか?
高齢の方は、お口の状態にご用心!
高齢になるとお口の状態が変化し、ムシ歯や歯周病になりやすくなります。
これまで歯の健康に自信があった方でも、知らないうちに病状が悪化して、削る・抜く等の処置となり、大きなショックを受けられることがあります。
こんな症状ありませんか?
◆歯ぐきが下がってきた
加齢や歯周病、歯ブラシのこすり過ぎ、歯ぎしりが原因で歯ぐきが下がると、歯の根元がむき出しになります。根元はエナメル質という鎧がないため、ムシ歯になりやすく、知覚過敏を引き起こしやすくなります。
◆口の中が渇く
加齢や薬(降圧剤や抗パーキンソン剤など)の副作用で唾液の分泌が減ってきます。唾液には口の中の洗浄・殺菌作用があるため、唾液量が少なくなるとムシ歯や口臭が発生しやすくなります。
◆口の中が臭う
口臭は、唾液分泌の低下、歯周病、磨き残しによる口腔環境の悪化が主な原因です。特に入れ歯やブリッジ、歯の喪失が混在していると食べカスが残り不衛生になりがちなので、適切なケアが必要となります。
◆歯ぐきが腫れやすい
お口のお手入れ不足や、唾液の分泌量が減って口腔内の自浄性が低下すると、歯肉の炎症(歯周病)が起きやすくなります。放っておくと症状が悪化して歯が抜け落ち、正常な食事ができなくなります。
高齢者に多い歯の病気
当院では、高齢の方のムシ歯や歯周病のリスクを減らす処置を行っています。
ずっと自分の歯で食事ができるよう、定期的なメンテナンスに通ってください。
歯周病と糖尿病の関係
最近の研究では、歯周病の治療とメンテナンスが、糖尿病の血糖コントロール改善に関係することが報告がされており、糖尿病(高血糖)と歯周病の間の関連性が注目されています。
糖尿病の人は、歯周病にかかりやすく重症化しやすい
糖尿病が進行し高血糖状態が続くと、体の中の防御反応が低下して感染症にかかりやすくなります。現在、成人の約8割が発症している歯周病も、細菌感染を原因とする感染症の一つです。そのため、糖尿病の人は健康な人と比べ、歯周病にかかる確率が 以上高く、重症化しやすいと言われています。
歯周病が悪化すると糖尿病も悪化する
歯周病が進行すると、歯周病菌から出される内毒素が歯肉から血管に入り込み、TNF-α(腫瘍壊死因子)という物質が分泌されます。そして、血管中のTNF-αが増加するとインスリンの働きが低下するため、血糖値が上昇してしまい糖尿病の悪化へと繋がります。
また、糖尿病の方が重度の歯周病になった場合、軽度の歯周病に比べ、2 年後に糖尿病が悪化している確率が5倍高くなると言われており、とくに注意が必要です。
当院では糖尿病の症状がある方に対して、歯周病治療及び定期的なメンテナンスをお勧めしています。
口臭予防の3つのポイント
何となく口が臭っているような気がする事ありませんか?
口臭の原因は大きく分けて3つです。
歯の喪失と全身ヘの影響
歯周病やムシ歯などで歯を失うと、噛む力が衰えていき、食事量の低下や偏食傾向の増大を招きます。
やがては全身の健康に大きな影響を与え、特に高齢者はそのまま介護状態になることも珍しくありません。
痛くもないのに検診に行くの?
そうなんです。お口の中の健康を保つためには、
(1)毎日のきちんとした歯磨きと、
(2)規則正しい生活習慣、そして
(3)定期検診が必要なのです。
あなたはAさんとBさんどちらがいいですか?
定期検診を利用することでいつまでも健康で、歯の困りごとなんてなければよいですね。私たちはそのためのサポーターです。
メンテナンスメニューのご案内
毎日しっかり歯磨きしているつもりでも、歯ブラシの届きにくい歯と歯の隙間や歯ぐきとの境目には、歯垢(プラーク)が溜まりやすい場所ができてしまい、やがて歯ブラシでは簡単に落とすことのできないバイ菌の集合体(バイオフィルム)となり、放っておくとムシ歯や歯周病、口臭、全身のさまざまな病気の原因となります。
こちらのコースでは、専用の機械を使用してバイオフィルムを取り除くお口のクリーニングと、歯の表面に歯垢を付きにくくするケアを行います。
メンテナンス 第1ステージ
歯肉の検査と歯石の除去を中心としたメニューです。
メンテナンス 第2ステージ
歯のクリーニングを中心としたメニューです。
一般歯科診療(保険診療)
特殊歯科診療(自由診療)
お口の健康づくり
当院について